よくある皮膚トラブル〜接触性皮膚炎(かぶれ) |
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接触性皮膚炎とは、科学物質や金属、植物などに直接触れたときに、
肌に炎症を起こすもので、一般的には「かぶれ」と言われています。
接触性皮膚炎には、刺激物(強い酸やアルカリ性物質、うるしなどの毒性植物、
虫などの出す毒)などに触れたために起こる「刺激性皮膚炎」と、アレルゲン物質に、
繰り返し触れたために起こる「アレルギー性皮膚炎」とがあり、「刺激性皮膚炎」は
誰もが発症する可能性がありますが、「アレルギー性皮膚炎」はアレルギー体質の人に
発症します。
接触性皮膚炎の症状は、アレルギー性・刺激性とも、ほぼ同じですが、
原因物質に触れて数時間以内に、赤く腫れてかゆみが出るなどの炎症が起こります。
ひどいときには、水ぶくれができたり痛むこともあります。
アレルギー性と、刺激性の大きな違いは、アレルギー性のほうが、かゆみが強いことや、
接触したところ以外にも炎症が広がるということです。 |
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よくある接触性皮膚炎で多いのが、パーマ液やヘアカラー液、白髪染め液で起こる
「化粧品皮膚炎(化粧品かぶれ)」です。
美容室に行かず、自宅でも手軽にパーマやヘアカラー、白髪染めができるので
便利ですよね。
その便利さゆえに、お肌への影響など軽んじてしまうのかもしれないですね。
その軽んじてしまう理由のひとつに、市販されているものは万人に合うと思い込む人が
多いことがあげられます。
パーマ液などのパッケージの中には、使用方法と使用上の注意が入っています。
その文中に「パッチテストをおこなってから、使用してください」と書かれてあるのを
見たことがあると思いますが、けっこうテストせずに実行してしまい、頭皮や顔がかぶれたと
炎症を起こされてから受診される方って、意外と多いんですよ。
もし、パーマ液やヘアカラー液、白髪染め液などが付着して、かぶれを引き起こしたら、
30分は流水で流し、皮膚に付いた薬品の濃度を薄めながら、かぶれた部分を冷やして
炎症を抑えます。このように応急処置を行ってから、皮膚科専門医を受診しましょう。
すぐに、皮膚科専門医を受診しないと、脱毛してしまったり、ひどいときには、
治療の甲斐なく、永久に毛が生えてこなくなったり、顔は液体の付着した部分が、
色素沈着してしまったりする可能性もあるんです。
「私は、アレルギー体質じゃないから」と言っていても、万人に合う物はありませんので、
自分がアレルギー体質の方はもちろん、アレルギー体質でない方も、パッチテストは
必ず行ってから、実行してください。
もちろん、パーマ液やヘアカラー液、白髪染め液だけでなく、化粧品を変えるときも
必ず、パッチテストを行いましょう。試供品は、色を見るだけでなく、そのためにあると
思ってください。
パッチテストの方法と、身近にあるアレルゲンをいくつか紹介します。 |
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<パッチテストのやり方>
・用意するもの・・・絆創膏(カットバン)、テストしたい化粧品など
・テスト法・・・・・絆創膏の布(キズを当てる部分)に、テストしたい化粧品などを
塗り、腕の内側の皮膚の柔らかい部分に貼ります。
2日くらいそのままにして、はがした部分が赤くなっていたら、
その化粧品などは合わないということです。
・合わないとき・・・その化粧品などを持って、皮膚科専門医を受診してください。
少々時間はかかりますが、化粧品の成分を検査してもらえます。
その検査した成分の、何が自分に合わないのかがわかれば、
合わない成分の入っていない化粧品を使用することができます。 |
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<身近にあるアレルゲン>
・金属・・・ピアス、ネックレス、指輪、時計、めがね、ベルトのバックルなど
・ゴム・・・ゴムを使用した下着(ショーツ、ブラジャー)、靴下のゴム部分、
ストッキングのゴム部分、ゴム手袋など
・衣類・・・化学繊維、染料など
・植物・・・うるし、サクラソウ、ハゼ、ギンナンなど
・美容・・・石鹸、シャンプー、ヘアスプレー、化粧品、香水など |
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